『ヒトノワ』#01:エンジニアリングマネージャ 新田 智啓
Datachainの開発組織に所属するメンバーのパーソナリティや仕事観に迫るインタビュー『ヒトノワ』。メンバーや未来の仲間との『人の輪』を広げていきたい、そんな想いからスタートしました!
メンバー間でもなかなか知らないキャリアの話や、価値観、プロジェクトへの想いなどを今後シリーズ形式でお届けしていきます。
初回となる今回は、本企画の立案者であるエンジニアリングマネージャの新田 智啓に話を聞きました。
新田 智啓(しんでん ともひろ)
SI企業のエンジニアとして複数のプロジェクトに従事。その後、サイバーエージェントでアドテク関連の開発チーム責任者や新規事業の立ち上げなどを経験。以降、メルペイ、カケハシでエンジニアリングマネージャーを担い、エンジニア組織づくりや開発推進などを担当したのち、Datachainに入社、エンジニアリングマネージャーを担当。
ブロックチェーンは、あんまり興味がなかった
ー自己紹介をお願いします!
Datachainのエンジニアリングマネージャをしています、新田です。今年の6月に入社したので、いまちょうど4ヶ月経過したところですね。少し前に試用期間が終わりました(笑)。
ー入社数日後から常に奔走の日々だったかと思いますが... 新田さんのEM役割でいま最も注力しているのはどの領域ですか?
ちょうど先日プレスリリースが出ましたが、新しくクロスボーダー送金の事業を発表しており、それに伴って開発組織の拡大が必要になっています。なので今は、それに向けて「どんな開発組織が必要か?」を考えながら、直近はとにかくエンジニアの採用強化をミッションとしてやっていますね。
ーでは少しパーソナルな部分になりますが、新田さんのこれまでのキャリアについても教えてください
社会人の最初の頃は業務委託のSIerとしていろいろな開発現場でエンジニアとして働いていたんですが、ある時からやっぱり自社開発プロダクトに関わっていきたいと思うようになりました。
そこからサイバーエージェントに入社してアドテク関連の開発を行っていました。入社半年で開発責任者となり、その後も子会社のCTOや事業立ち上げの開発責任者を経験し、4年半ほど勤務。その後メルペイに転職して、メルペイのリリース前からエンジニアリングマネージャとして関わっていました。
その後は、スタートアップフェーズのもう少し小さい組織でいろいろとやってみたいと思い、カケハシに入社して、ここでもEMとして医療系・薬局向けSaaSの開発ディレクションやチーム作りをやっていました。
そして今年6月、Datachainに入社という流れです。なのでブロックチェーンについてはDatachainに入社を決めるまで多少調べたことがある程度の知識しかなかったし、正直お話をもらった時点ではそれほど興味はなかったです(笑)
入社の候補に全く入っていなかったDatachainに決めた理由とは
ー全く興味がなかったところから入社を決めたきっかけは何だったんですか?
まず転職を考えた時に、40代になり年齢的なところもあるので、次の転職がもしかしたら最後の大きなチャレンジになるかもしれないと考えたんですよね。それなら今までとは違う可能性を探ってみようと思い、前職を辞めてしっかり腰を据えて、30社くらいカジュアル面談をさせてもらって。
「自分が何をやりたいか?」を考えながら面談していたんですが、何社も聞いているうちに、エンジニアリングと組織の領域は多くの会社が困ってるところで、かつ自分が一番得意で役に立てると感じました。やっぱり開発組織周りだと実感したので、そこで力を発揮したいと思いました。
そのなかでDatachainは、事業内容としてはメルペイでやっていたFinTech領域に近くて、事業規模・フェーズとしてはカケハシで経験したスタートアップに近いということで、イメージが湧きやすかったんですよね。ちょうど人数も増え始めた時期で、組織課題が明らかに見えていたので、自分が役に立てそう!と思えました。
ただ、自分が役に立つだけで決めてたら、いままで経験がある領域だと自分にとってのチャレンジにはならないぞと。
ーそこからどういう心境の変化があったんですか?
選考過程で何人か面接をしてもらったんですが、代表の久田さんとの話のなかで、Datachainってただ技術を研究するんじゃなくて、ちゃんと何かを解決することにフォーカスがあるのが、すごくいいなと感じたんです。新しい技術を作り出して、それを使って社会の何かを解決する。具体的なところでいうと、今回のプレスリリースのステーブルコイン事業の話ってめちゃくちゃインパクトが大きいですよね。
しかもこれだけの可能性があるブロックチェーンなのに、自分には何もわからない。けど、逆にそれが面白いと感じました。これまでのキャリアである程度既存のWeb技術を使ってサービスを開発してきたので、Web技術のことはある程度は分かっている中で事業的に必要なコトやモノを作ることは普通になっていたんですよね。だから「何もわからないって面白い」と。
あとは普通のEMではもの足りないので、プラスアルファのチャレンジがしたかったんです。なので、技術的に難しく、かつこれだけインパクトのある事業の新しい開発組織を作る絵を描いて、絵が描けたら採用もして、推進していかなきゃいけない。ただのゼロイチではなく、グローバルレベルで強みの技術的なレベルと、普通のSaaSとは桁が数個違う大きなインパクトのある事業を実現するためのゼロイチっていう感じで、自分にとって大きなチャレンジになると思い、入社を決めました。
ー「普通のEMではなく」という話がありましたが、新田さんにとっての理想のEM像は?
サイバーエージェント時代から開発責任者をやらせてもらっていたのですが、当時は正直、開発の責任を取る人、Tech Lead、みんなを推進する+α…くらいのイメージで、なんだか分からないけどやってみようと、とにかくがむしゃらでした。
そこから数社経験していく過程で、どんなに優秀なエンジニアがいて、いいシステムが整っても、サービスを終了しなければならないという経験をしました。それは技術的に良いというだけでは、良いと思ったチームや開発組織を維持することはできない。本当の意味でのプロダクト的な価値を提供する必要があって、そこには届き切っていなかったんだなと感じるようになりました。
僕は技術と開発組織はものすごく近い距離感でつながっていて、組織がとても大事だと思っているので、優秀なエンジニアメンバーを応援して支援することで、彼らが十分に力を発揮できているのを見られるとすごく嬉しいんですよね。
優秀なエンジニアが十分に力を発揮できていない状況があるとするなら、技術力だけではどうにもできない部分がある。それは事業や組織との連結だったり、EMのマネジメント知識や開発プロセスの知識理解とか必要なスキルはいろいろありますが、EMがそれを上手く繋げてあげて、彼らが頑張ったことがちゃんとレバレッジが効く形で価値に繋がる、っていうのを実現できるとすごく良いいなと思っています。
ー素敵ですね。実際に入社されて4か月間ではどのようなことに取り組まれてきたんですか?
入社4日目の朝だったと思うんですが、久田さんからミーティングで「新規事業の予算を組まないといけないから、人員計画を考えてほしい」と言われて「おぉ、何も分からないけど分かりました」というところから始まりました(笑)
でもスタートアップとか立ち上げの経験は何回かあるので、まぁこんなもんだよねと。自分で推進しないと動かないし、動かさないといけないものが山盛りあるっていうのはスタートアップには普通ですからね。
人員計画を考えて、無事承認されたのはいいけど、そうするとその組織をつくるには圧倒的に採用が足りないと明確になりました。そこからは採用最優先!となったので、そのための絵を描いて、自分でできないところはどんどん他社さんの力も借りながら推進する、という日々ですね。
採用観点だとやっぱりサイバーエージェントもメルペイも名前が知られているから、候補者さん側から来てくれるんですよね。一方でDatachainのようなスタートアップは「どう知ってもらうか?」というところから設計する必要がありますし、ブロックチェーンという面白いけど伝えることが難しい技術もあるので、直近は採用広報にも力を入れています。
目標として週1は何かの発信をしたいと思っていて(ここで宣言しておきます!w)この記事のように最初に僕のインタビューを記事化したり、定期的にnoteを執筆したり、EM関連の登壇があったら積極的に登壇したり。自ら出ていくことで、ほかのエンジニアメンバーも続いてくれると嬉しいなと思っています。
このあたりの組織づくりの詳細については、機会があれば別記事でお話しさせてください。
事業立ち上げで開発組織が変わる。ワクワクする開発組織を作りたい
ー新田さんが思うDatachainの開発組織の魅力ってどんなところですか?
Datachainは既存社会にない新しい技術を開発して、それを社会に適用していくっていうことにチャレンジしているので、そこがかなり難しくもあり、非常に面白い部分でもあると思っています。
従来のWeb技術じゃなくて、ブロックチェーンを使っているし、さらにブロックチェーン上のアプリケーションを作って何かをすることもやっていて、その上、ブロックチェーンの周辺技術も自分たちで開発して、という。僕たちはインターオペラビリティというブロックチェーン間をつなぐ技術を開発しているんですが、正直「技術そのものを開発する」というレイヤーでやっている企業って、少なくとも日本ではかなり希少だと思います。それゆえ、こうしてProgmat社との取り組みにもつながっていますしね。
このような日本のメガバンクなどの大きな会社との取り組みができるのは、技術力がめちゃくちゃ高いと認められているからなんだと思います。技術力って言ってもいろんな方法があると思いますが、やっぱりシステムの根本的・根源的な理解の強さがある。我々は正解がわからないものを作ろうとしているので、リサーチ力だったりとか、ネットワークやメモリーとかのソフトウェアの動き、みたいなところをやっている。言語・フレームワークを使いこなすとかもするんですが、もっと技術の根底にある部分の動きの理解を所属するエンジニア全員が分かっている所ですね。R&Dでブロックチェーンをやるには必要なスキルなので、そういう技術的なレベルの高さは大きな魅力だなと思います。
ーDatachainの開発組織の特徴ってどんなところでしょうか?
純粋に技術の好き度合いが強い人が多いのと、比較的シニアなエンジニアが多いですね。組織を数値でお伝えできるように開発組織の平均年齢を出したのですが、40歳だったのでスタートアップにしてはシニアすぎると思いました(笑)
とはいえ、採用の年齢は気にしていないです。経験数年の若手でも、定年を超えた人でも、実力を示して活躍いただける人なら歓迎です!
まだ世の中に存在していない新しい解決法を編み出していくには、プロダクトマネージャーだけでは解けない部分も多いので、思考部分でもエンジニアに期待する領域がかなり広いです。なのである程度1人で問題解決していけるようなレベルのエンジニアが活躍しています。
技術やシステムだけ詳しくても課題って解決できないと思うんで、技術好きに加えて、何をどう作るべきか?その課題をどう捉えるべきか?みたいなところにしっかり思考を通せる人が多いんじゃないかと思います。
ーたしかに、Datachainは結構エンジニアが主体的に課題設定からやっているシーンはありますよね。
それってすごく重要なスキルだと思いますね。広く興味を持って、答えがないところに対して飛び込んで解決するとか、そういう未知への興味の強さみたいなものも、みんなだいぶ強いんじゃないかなと思います。
ー先日のnoteでも新田さんは「ワクワクする開発組織を作る」と書かれていましたが、改めてそれってどんな組織なんでしょうか?
基本的には「ほら、これだったらワクワクするでしょ?」っていうのを僕から提供するものではないです。
みんなそれぞれが「技術って面白いよね」「こうやってこういうものができたら面白いよね」と何かしらワクワクすることってあると思うので、それを後押しできる、応援できるような組織をつくりたいです。
同じスキルの人がいっぱい揃っている必要はなくて、みんなそれぞれ違うけど、それがいい感じで組み合わさって、相互に力を発揮できて、みんながやりたいことがどんどんできる開発組織がいいなと思っています。
やっぱりモチベーションが高いほうがいいものができると思うので引き出して実現したい。純粋に会社にとっても、みんながやりがいを持って仕事に取り組める状態は最高だと思うし、そのいい状態のアウトプットがお客さん・ユーザーに届けば、それが大きな価値に繋がって、会社が盛り上がる、そういうサイクルができたら嬉しいですよね。
なので、あくまで僕がやろうとしてるのは応援する組織です。何に対してわくわくするかっていうのは、みんなそれぞれ持ってきて欲しい。「わくわくする組織ってどういうふうに作るんですか?」って言われたら「あなたは何がわくわくするんですか?」って聞きます。みんなで一緒に作っていくんです。
結局スタートアップなので、自分自身がどれだけ得意な領域・好きな領域に対して推進できるか、リーダーシップを発揮できるかが重要だと思いますね。
ーその「ワクワク」というフレーズはDatachainへの入社が決まってから生み出した言葉なんでしょうか?
いや、もしかしたら自分の中で根源的なものだったかもしれないですね。ただやっぱり自分がこの組織を引っ張っていこう、という想いを言語化したらこういう風になりました。
振り返ると今までのEMの仕事って、会社全体の中の1チームしか見ていなかったので、会社全体のバリュー・ミッション・ビジョンがもう決まっていて、それをいかにそのチームに浸透させるか、チームの中でそういう力を引き出すかっていうことだったんですが、Datachainはまだ会社が小さくて、そういった明確なビジョン的がない中で「どんな開発組織だったらみんなが成果を出せて、長期的に楽しくあれるんだろうか」っていうのを考えたら、自分の中ではこういう言葉にたどりつきました。
ー改めてですが、新田さんがDatachainで一緒に働きたいと思うエンジニアはどんな方でしょうか?
基本的にはいわゆるシニアエンジニアの方が活躍できる環境だと思います。Webシステムのことはある程度一人でできるし、得意じゃない領域でも調べながらある程度のものは作れます、くらいの方の次のチャレンジとしてDatachainはとても良い環境だと思います。
あとは技術力ももちろん大切ですが、一番は未知へのチャレンジを面白いと感じる人ですかね。僕も「あんまわからん、けど役に立てそうだし、チャレンジできそうだ」っていうのが揃ったから入ったんですけど、やっぱり一番根本的にないと厳しいのは「何もわからんけど、それって面白そう」っていう感覚ですね。
ーでは組織拡大においていまEMやTechLeadポジションも大募集中かと思いますが、どんな方が合いそうでしょうか?
このフェーズのEMは正直難しい・・・
既にあるチームをうまくチューニングして機能させるのは大前提なんですが、新規事業の方はチームがまだない。チームをいち早く作って、かつ短期間で機能させないと事業スピードに追いつかない。なので、必要なのは組織を素早く大きく変えられるパワーだったり、そのロジックをメンバーに伝えられるスキルを持っている人、あるいは経験した人に来てもらえたら嬉しいです。
具体的な経験でいうと事業立ち上げしてきた人とか、スタートアップの中で開発組織を立ち上げた人とかは、すごくあっていると思います。あとは推進力だけじゃなくて、やっぱり知識もキャッチアップしていることも大事ですね。
エンジニアが技術のキャッチアップをするのと同じように、マネージャーは事業に関わるアジャイルなどの開発プロセスの知識はもちろん、コーチングとかマインドセットの作り方とか、チェンジエージェント、組織を変えていくリーダーシップの発揮の仕方ってどういう方法があるんだろうかとか。何かそういう型を知っていて、かつ必要であれば導入の絵を描いてメンバーにちゃんと説明ができる状態にするとか。そういうことができてほしいですね。
ー最後に一言お願いします!
大きなことをやろうとしているので難度は高いです。上手く行っていないことも沢山あるし、これからやらなければならないことも多いです。だからこそチャレンジしがいがあるし、様々な経験をしてきた人が力を振るってもらう場としては面白いんじゃないかなと思います!
ぜひワクワクする開発組織を一緒に作っていきませんか?
Datachainでは、今後も毎週開発チームについての発信をこちらのnoteで行っていきますので、ぜひnoteやXをフォローいただけると嬉しいです。
また、まずはお話を聞いてみたいという方は、ぜひ以下のカジュアル面談フォームよりご連絡いただけると幸いです。弊社EMの新田・加藤のいずれかがご対応させていただきます!
https://herp.careers/v1/datachain/yobfg8YOkk4g
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