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【ブロックチェーン入門者向け】クロスチェーンブリッジ「TOKI」を体験してみる

この記事では、Datachainが創業時より取り組んできたR&Dにより培ってきた技術を用いた、異なるブロックチェーン間でトークン移転などの取引(クロスチェーン取引)を実行するWebアプリケーション「TOKI」についてご紹介します。

実際に、先日リリースしたTOKIのテストネット(=各ブロックチェーンが用意しているテスト環境)でのブロックチェーン上での取引を行うための手順を記載しております。

現在、本番環境でのローンチに向けたテスト段階であり、いくつかの改善点もある状態ではありますが、実際に体験していただき、プロダクトのイメージを掴んでいただくことを目的としています。

ブロックチェーンが初めての人にとっては少し準備が必要ですが、
この記事でぜひ暗号資産を取引所で取引するだけではなく、自らブロックチェーン間で暗号資産をやり取りする感覚を体験してみてください。



TOKIとは?

TOKIとは、安全性とコストの双方を兼ね備えたブロックチェーン間の取引を可能にするアプリケーション及びインフラです。

このようなブロックチェーン間の取引を可能にするアプリケーションを「クロスチェーンブリッジ」と呼びます。従来のクロスチェーンブリッジでは、その通信の仕組み上、ハッキングの被害が多く発生していました。これは、クロスチェーン取引において、それぞれのブロックチェーンの他に、新たな信用を必要とする仲介システムが必要となるためです。

それに対して、TOKIでは、IBCという通信プロトコルを用いた上で、仲介システムへの信頼を最小化した仕組みで、ブロックチェーン間の取引を実現しています。

仕組みの詳細については、専門用語を用いた解説が必要になりますので、より詳しく知りたい方は、以下のリンクをご覧ください。

※全文英語表記

ではさっそくですが、TOKI(Testnet)を使用するためのステップについて解説していきます。
ステップは大きく分けると4つあります。それぞれを詳しく説明します。

1.MetaMask(メタマスク)の導入について
2.暗号資産取引所で口座開設について
3.暗号資産の購入方法と送金方法について
4TOKI(Testnet)の使用方法


STEP1:MetaMaskの導入

まず、暗号資産のウォレットを導入する必要があります。
NFTの売買やDeFi(分散型金融)取引、またはブロックチェーンゲームなど、Web3.0の幅広いプロダクトを利用するうえで欠かせない存在であり、
中でも、さまざまなネットワークを手軽に切り替えて使用できるMetaMask(メタマスク)を今回は使用します。

MetaMask導入手順
※ここではWebブラウザ上でMetaMaskを作成する方法を紹介しますが、アプリ版でもダウンロード後の流れは基本的に変わりません。


MetaMaskとは?
MetaMaskは、イーサリアムチェーンを基盤にした、ConsenSysが手がける暗号資産のウォレット(=暗号資産を保管できる財布)です。
アクティブユーザー数は3,000万人を超えるなど、現在、数あるウォレットの中でも最もポピュラーな存在となっています。

MetaMaskの基本的な使い方

  • 暗号資産をMetaMaskに送金する

  • 各種サービスにMetaMaskを接続する

  • 暗号資産取引所で暗号資産を購入する

MetaMaskの特徴

  • MetaMaskと接続することで、ブロックチェーンを基盤にした様々なサービスを利用できる

  • ガス代(ネットワーク手数料)をコントロールできる

  • 暗号資産の交換ができる など

MetaMaskの対応チェーン一例

  • イーサリアム

  • BNBチェーン

  • Polygon

  • Avalancheなど


STEP2:暗号資産取引所で口座開設について

TOKI(Testnet)の使用にあたって、ETH(イーサ)が必要となります。
それに伴い、まずは、暗号資産取引所で口座開設をしましょう。

口座開設の方法は、下記取引所一例にあるリンク先に詳細に方法が記載されていますので、手順に沿って口座開設をしてみてください。

取引所一例:



イーサリアム(Ethereum)とは?
イーサリアムは、世界最大のブロックチェーンアプリケーションのプラットフォームの名称です。このプラットフォーム内で使用される暗号資産をイーサ(英: Ether、単位: ETH )といいます。


STEP3:暗号資産取引所での購入方法と送金方法について

ETHをMetaMaskへの送金方法について
大きく分けると下記の手順です。

1.MetaMaskのウォレットアドレスを確認
2.暗号資産取引所で送金先を登録
3.MetaMaskに送金する

1.MetaMaskのウォレットアドレスを確認
MetaMaskのウォレットアドレスは、メニューの中にある「アカウントの詳細」から確認できます。

ウォレットアドレスは、0xから始まる数字です。

2.暗号資産取引所(bitFlyer)で送金先を登録
※今回は、bitFlyerでの操作方法

登録したメールアドレスにURLが届くので、アクセスして2段階認証を済ませてください。

 

外部アドレスを登録します。
下記内容を入力し「次へ」をクリック。
※アドレスを間違えると他のアドレスに送金されてしまい資産を喪失してしまう恐れがあるため、アドレスはお間違えがないようにコピペでの入力を推奨しています。

3.MetaMaskに送金する

入出金で送金したい暗号資産を選択し、先ほど追加した宛先をクリック。
送付数量を入力して進めましょう。

bitFlyerからMetaMaskへの送金手数料は、送りたい暗号資産によって異なります。

イーサリアムの場合
送金手数料は0.005ETH
0.005ETH = 2,500円
(1ETH = 50万円の場合)

他の暗号資産の送金手数料が知りたい人は、bitFlyer公式で確認してください。


STEP4:テスト用トークンの準備(TOKIへの接続〜Transfer)

英語版は下記URL内にございますので、必要に応じてご参照ください。

※テスト用トークンを取得するには、Ethereum メインネットに少なくとも 0.001 ETH が必要です。

1.TOKI(Faucet)へアクセス

Faucetとは
Faucetとは、直訳すると「蛇口」という意味で、蛇口をひねると水が出てくるように、テスト用トークンが無料でもらえることを指します。
テストネットを触る際には、必ず各チェーンのテスト用トークンが必要になります。

2.ウォレット(MetaMask)へ接続する
MetaMask ウォレットをTOKIのFaucet ページに接続します。

3.テストネットアプリ用のテストネットトークンを取得
「ETH および BNB テストネット トークン」と「USDC、USDT、ラップされた ETH のデモ トークン」の両方を取得する必要があります。

ETH および BNB テストネットトークンは、 AlchemyGoogleBNB Chainが提供する外部の Faucet ページから取得できます。
これらのトークンは、Ethereum Sepolia テストネットと BNB Chain テストネットの両方でガスコストと呼ばれる手数料として使用されます。

USDC、USDT、ETHのデモトークン

Faucet ページで利用可能なトークンのリストは次のとおりです。

  • イーサリアムSepoliaテストネット上のUSDCとUSDT

  • BNBチェーンテストネット上のUSDC、USDT、ラップドトークン(ここではETH)

ネットワークとトークンを選択したら、“Connect Wallet” をクリックしてMetaMaskウォレットを接続します。
次に、“Send Me Testnet Token” ボタンをクリックして実行してください。

※このプロセスにはテストネットの手数料が必要です。Walletにトークンがない場合は、先程入力したアドレスをコピペして、テスト用のトークンが振り込まれることを確認してください。前述のリンク先からも入手ができます。(AlchemyGoogleBNB Chain
※トークンの振り込みは、反映まで最大で数分かかる場合があります。

トランザクションがネットワークに送信されると、“Your transactions.” のリンクからトランザクションのステータスを確認できます。
リンクは Etherscan または BscScan に移動し、ステータス (成功、保留中など) を含むトランザクションの詳細情報を確認できます。


準備完了!TOKIでTransferをしてみよう!

ここまでのTransfer準備作業、お疲れ様でした!
ここから実際にTransferをやっていきましょう。

MetaMask Walletにテストネット トークンを表示方法

1. MetaMaskで“ + トークンをインポート ”をクリック

2.“ トークンコントラクトアドレス ”に以下の対応するコントラクトアドレスを貼り付けます。

Ethereum Sepolia
- USDC: 0x74ce1e12998fB861A612CD6C65244f8620e2937A
- USDT: 0xe90a57A45F1Eae578F5aec8eed5bA8Fc6F55eF65
BNB Smart Chain Testnet
- USDC: 0xb48249Ef5b895d6e7AD398186DF2B0c3Cec2BF94
- USDT: 0x37fFAb7530Fbb7E8b4bFeC152132929bdCdae3F3
- ETH: 0x0841e381a6363e6E7fBd742407B5749fc5E73083

3.Transferページに移動

4.cross-chain transfersを実行

“From” と “To” の両方のネットワークとトークンを選択し、金額を入力して“Approve”をクリックすることで、cross-chain transfersを実行できます。

特に希望がない場合は、まずはSepolia EthereumからBSC Testnetに100 USDCを送信してみてください。
※現在、Transfer機能のみがアクティブですが、数か月以内にPool & Earn機能も利用可能になります。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました!

少し手順が必要でしたが、いかがでしたでしょうか?
Datachainが取り組んできた技術について少しでも伝わっていれば幸いです。


 Datachainの取り組みとその裏側

上記のブロックチェーンを跨いだ取引は、一見シンプルに見えますが、裏側は非常に複雑になっており、これまでDatachainが取り組んできた技術の蓄積が活かされています。

ブロックチェーン間通信の手法はいくつかありますが、Datachainでは、極力第三者の信頼を必要とせずに、ブロックチェーンを跨いだ通信を可能にしています。
これよりも技術的には容易な仲介者を信用して取引を実現する方法もありますが、年間で $2.8B (約4,420億円)を超える暗号資産の流出事件も起きるなど、セキュリティ面の課題があります。

それに対して、IBCという通信プロトコルでは、お互いのブロックチェーンをお互いに検証するという仕組みにより、仲介者の信頼を必要としない方式でブロックチェーン間での通信を実現しています。これにより、IBCでは、リリースから3年の月日が経ち月間10億ドルもの取引量がありますが、未だにハッキングの被害は0となっています。

しかし、IBCは、そのブロックチェーン上で検証を行うという特性ゆえ、イーサリアム等の特定のブロックチェーンにおいて、ガスコストと呼ばれるブロックチェーン上でコードを動かすのに必要な手数料が多額になってしまう課題があります。

そこで、Datachainでは、このようにセキュリティ面で優れているIBCをコスト効率も両立できるような形で提供するために、TEE(Trusted Execution Environment)やゼロ知識証明を用いてブロックチェーン外でありながら安全な方式で検証を代替しています。

詳細はLCPというプロダクトをご覧ください。


Datachainに興味を持っていただいた方へ

Datachainは、このようなブロックチェーン間通信のインフラレイヤー、それを生かしたウェブアプリのバックエンド・フロントエンドに留まらず、
こうした技術を基盤にしたエンタープライズとの協業事業を展開しており、先進的な技術に触れながら開発をしていける環境です。

このTOKIを皮切りに「金融インフラ×グローバル×ディープテック」領域での貴重なチャンスに直面しています。
このチャンスをものにできるかは「この一年が勝負」であり、いかに優れたチームを作れるかにかかっていると考えています。

この記事がDatachainのプロダクト理解の一助となれば嬉しいです。
こちらを踏まえて、追加の面談も可能ですし、選考についてももちろん歓迎しておりますので、ぜひお気軽にご連絡ください。

面談調整用URLは、こちら
※ブロックチェーンについての事前知識は必要ありません。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

Datachain