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ディープテックスタートアップの創業期に参画して7年目の今感じる面白さ

明けましておめでとうございます。
Datachainでマーケティング及び採用のリードを務めている吉田(@motokiyoshida)です。

このnoteは昨年9月から毎週更新をスタートし、累計で20記事に達しました。新年最初の記事では、Datachainの創業間もない2018年に一桁目の社員として入社し、7年目を迎えた私が感じる「Datachainで働く面白さ」についてお話しします。

結論から言うと、各フェーズにそれぞれの面白さがありますが、「今が一番面白い!」と自信を持って言えます。そして、この「一番」をこれからも更新し続けられる予感がありますし、そうできるよう全力を尽くしていきます。

では、まず私がDatachainに入社するきっかけとなった話から始め、その後「なぜ今が一番面白いのか」について触れていきたいと思います。


Datachainとの出会い

以前から「技術で世の中を変えること」に強い関心を抱いていました。そのきっかけとなったのが、2011年から2012年にかけての米国ベイエリアへの留学です。

当時は、GAFAのようなテック企業の台頭だけでなく、Instagramの急成長からFacebookによる買収、日本人起業家の米国進出などを間近で目にする機会がありました。また、今振り返ると大したことのない話ではありますが、自分の書いたブログがはてなブックマークのホットエントリーに選ばれ、数十万ビューを達成したこともありました。そのとき、月並みですが「インターネットって本当にすごい」と感動したのをよく覚えています。

インターネットの歴史が「Read」から「Write」も含む時代へと進化する中で、自分はその「Write」の面白さにすっかり魅了されました。

帰国後、米国で出会ったスタートアップ創業者の方とコンタクトをとり、インターンとして週3〜4日ほど働く機会をいただきました。Webデザイン〜Railsを用いた開発まで、手探り状態でがむしゃらに取り組んでいました。

その後、さまざまな楽しい思い出や修羅場を経験した結果、「組織力のある会社で事業づくりをしたい」と考え、サイバーエージェントに入社しました。アドテク事業本部(現AI事業本部)に所属し、広告配信プロダクトの開発や事業立ち上げを中心に活動。効果を最大化するアルゴリズムやクリエイティブについて開発・機械学習チームと議論を重ねたり、営業チームと目標達成のために粘り続けるなど、非常に密度の濃い日々を過ごしました。

管轄役員やボードメンバーの方々は、知識もバイタリティも非常に尊敬できる方々ばかりでした。一方で、自分がこのままの状態でそのような方々に追いつけるのかという不安もありました。インターネット広告をゼロから築き上げてきた彼らに対して、どこか手が届かないもどかしさを感じていたのも事実です。

そんな中、ブロックチェーンという技術に注目するようになりました。この技術には新たな産業を生み出す可能性があると感じたからです。Amazonの購入履歴を振り返ると、2016年に『ブロックチェーン・レボリューション』を購入していたことがわかり、その頃から少しずつ興味を持ち始めていたようです。

そして、2018年3月にDatachainが創業されました。正直なところ、最初の印象は「中身はよく分からないけれど、なんだか面白そう」というものでした。

ただ、ご縁があり、CEOの久田、CTOの木村、そして親会社SpeeeのCEOである大塚と話しをする中で、事業内容の抽象度は高いままでしたが、「この市場で、このタイミングに、このメンバーとなら、ぜひ挑戦したい」と強く思うようになりました。

ブロックチェーン領域は、「Read」「Write」に続く「Own」の時代とも言われています。つまり、Webブラウザで情報を収集したり、SNSやブログで発信するだけでなく、自らネットワークの一員として「所有」する時代です。私は、ユーザーとして体験した「Write」の感動を、次の大きな波である「Own」の時代では、創る側として関わりたいと感じました。

Read, Write, Ownの話については、ぜひこちらの書籍がおすすめです。世界を代表するVCのうちの1つa16zのパートナーであるChris Dixon氏の著作です。

研究開発と事業探索フェーズ

創業から最初の3〜4年間は、ブロックチェーン技術がまだ黎明期にあったこともあり、研究開発と事業探索に集中するフェーズだったと言えます。

しかし、その間も受託開発で短期的な売上を追うのではなく、将来的な大きな価値の創造に焦点を当てて事業を進めてきたことが、現在の成果につながっていると強く感じています。

具体的には、研究開発を進める一方で、私たちの技術を活かし、ブロックチェーンの社会実装を推進するためのプロジェクトを各企業と共同で実施してきました。例えば、トヨタファイナンシャルサービス様NTTデータ様三菱UFJ信託銀行様などの日本を代表するような企業様と、世界的にも新規性の高い取り組みをしてきました。

これらの取り組みや創業時から続けてきた研究開発の成果が、現在展開しているサービスやプロジェクトへとつながっています。

もちろん、これらがすべて創業当初から予測できていたわけではありません。しかし、未来を見据え、適切なタイミングで適切なチームと共に取り組んできたからこそ、実現できた事業だと言えるでしょう。

今後、代表の久田がnoteで詳しく語ってくれると思いますが、ディープテック領域のスタートアップにおいては、トレンドや市場の需要が高まってから技術開発を始めるのでは、タイミングを逃してしまうことが多いです。だからこそ、そうしたタイミングに備え、長期戦を覚悟して事前に準備を進めることの重要性を改めて実感しています。

サービス提供に向けた組織拡張フェーズ

このような蓄積のもとで、直近1〜2年間では、研究開発の土台のもとで、実際にエンドユーザーが利用するサービス開発の取り組みも本格化してきています。

具体的には、以下の2つの事業です: 

  • クロスチェーンブリッジ: 異なるブロックチェーン間で暗号資産の移転を可能にするサービス。Datachainが強みとするブロックチェーン間通信の研究開発から生まれた事業。

  • クロスボーダー送金事業: ステーブルコインを用いた次世代クロスボーダー送金を実現するサービス。研究開発と大手企業との取り組みから、メガバンクグループ等と推進している事業。

また、これに伴い、組織的にも大きく拡張してきています。具体的な数はここでは公開できませんが、2024年9月にクロスボーダー送金事業に関するプレスリリースを公開してから、内定承諾いただけるペースは飛躍的に向上しています。

IT大手や外資系金融機関など、さまざまな分野で活躍してきたエース級の人材が続々と集まり、組織としての可能性がどんどん広がっています。

今感じる「面白さ」について

それぞれのフェーズでそれぞれの面白さがあったことは確かです。ただ、その中でも、今のフェーズは特に面白いと感じています。

その理由を言語化すると、「莫大な市場規模を持つ分野で、世界的に新しい取り組みの商用化を目前に控えた絶好の機会に立ち会っているから」。これがまさにその理由です。

これまでも、Datachainでは、世界でも先端をいくような取り組みをしてきました。しかし、多くの場合、商用化にはいくつかのハードルが残っており、実社会に大きなインパクトを与えるまでには至っていませんでした。

一方、現在のフェーズでは、法的な観点、パートナーシップの構築、技術の成熟度、人材の充実といったあらゆる要素が、ようやく商用化に向けて整ってきたと感じています。

加えて、ブロックチェーンやWeb3といった分野の技術や仕組みを従来の商取引に応用することで、「ブロックチェーン技術の社会実装」を推進するという点にも、大きな意義を感じています。

ちなみに、年始に実の父や義父にこの事業について話をしてみたのですが、私の説明力の問題もあったかもしれませんが、親世代に理解してもらうのはまだ難しいと感じました。ただ、技術そのものを説明するのではなく、「ブロックチェーン技術のおかげでこんな便利なことができるようになったんだよ!」と、より身近な形で伝えられる日が来るのを楽しみにしています。

さいごに

というわけで、Datachainのほぼ創業メンバーである私が「今が一番面白い!」と言える所以についてお話しさせていただきました。

事業の詳しい内容は、こちらの会社紹介資料でご覧いただけます。

文中でも触れたように組織は拡大中ですが、まだまだ仲間を募集中です!
興味をもっていただけましたら、ぜひご応募をお待ちしております。